薬剤師の転職情報

調剤薬局の薬剤師に求められる能力

これから競争が激しくなっていく調剤薬局業界で、薬剤師として生き残っていくためには、患者さんの話を適切に聞き取るコミュニケーション能力が必須です。
これは個人の努力と経験の積み重ねにより向上できます。
しかし、個人の能力だけでは集客力として不十分です。患者さんが居心地の良い薬局全体の雰囲気作りも重要になってきます。
プライバシー保護が重要視される今、たいていの薬局は、隣の患者さんと顔を合わせずに済むよう仕切りを設けています。それでも声を完全に遮断することは難しいので、初めてお渡しする薬の効能、副作用の可能性など、薬局として伝えなければならないことを説明すると、それが隣の患者さんに聞こえてしまうので、何も話したくないという方もいらっしゃいます。どうしても声に出しての投薬を敬遠される場合は、筆談で対応するといった柔軟さも大切です。

また、小児科の患者さんが多ければ、お子さんが好みそうなシールなどをお渡ししたり、おもちゃで遊んで待ち時間を過ごせるキッズコーナーを設けたりするのもお母さんに喜ばれます。
患者層に合わせて、待合室に置く雑誌の種類なども吟味することで、薬局として生き残れるかどうかが左右されます。人を相手にする職業なので、自分の能力アップだけでなく、薬局の「ウリ」も考えることが大切です。

在宅訪問への薬剤師の課題

政府は高齢化が進む中、医療・介護をなるべく在宅へ移行しようという政策を進めています。
急な治療を必要としない患者の長期入院や、介護重症度の低い高齢者の施設入居を減らし、自宅療養、つまり在宅でも生活可能な高齢者をなるべく在宅に回すことで、これらにかかる経済的負担を減らそうという考えです。
2014年度の診療報酬改定により、在宅医療への取り組みが高く評価されることになりましたが、病院も薬局も、現実的にはなかなか在宅医療を普及させる余裕はありません。
特に薬局は、門前の病院が在宅を実施していても、往診に同行はせず、必要な薬を調剤するだけ、もしくはまったく関わっていないというケースが非常に多いです。
これは薬剤師側の職能アピール不足が原因とも言えますが、医療機関が薬剤師の在宅訪問について「知らない」というのも要因の1つです。医療保険でも介護保険でも、薬剤師が患者宅を訪問し、服薬管理指導を行うには、医師の指示が必要です。薬剤師の独断で訪問しても、在宅医療に関する報酬は算定できず、ただ働きになってしまうのです。医師が在宅医療に関して薬剤師が介在する必要性を意識しなければ、実際の行動には移せません。
もう1つ、在宅医療へ消極的である理由として、「薬剤師が外来で手いっぱいで対応できない」、「24時間365日、何かあれば常に対応しなければならない」、「無菌調剤の設備がないため対応できない」といった声が挙がっています。
特に、「採算が合わない」との声は頻繁に聞こえてきます。そのため、効率良く報酬を得るために、施設訪問に重点を置く薬局が多いです。在宅医療の推進という政府のねらいからは遠のいているようにも思われます。
独居老人など、本当に訪問を必要としている居宅への医療普及のためには、在宅医療への調剤報酬の評価をもっと高くしたり、薬剤師の人数確保に努めたりといった対策が必要でしょう。

病院薬剤師の求人を探す方法

病院薬剤師は、薬剤師の職種の中でもハードな職業です。
そのため離職者が多く、薬剤師が不足しており年中求人を出している病院もあります。
そのような病院の求人に飛びつけば、地獄を見るのは明らかです。
病院薬剤師の求人を探すにはそれなりのノウハウがあります。
しかしまず求人を探すノウハウは忘れてください。
まずは病院薬剤師になるための心得を知りましょう。

病院薬剤師になるための心得

院外処方が進んでいるので、たいていの病院で、薬剤師の主な仕事は入院患者さんの薬の調剤や、服薬指導です。
また、院内で使用する消毒液や注射液剤の製剤なども病院ならではの仕事です。
調剤や製剤は、人の命に関わる責任の重い業務であり、慎重さ、正確さそして几帳面さなどが求められます。
しかし、業務時間中ずっと緊張状態では神経が参ってしまうので、仕事が落ち着いているときはしっかり気持ちを休ませ、緊急事態にはすぐに切り替えて的確な判断をするといった、オン・オフの切り替えのうまさが長続きするコツです。

病院薬剤師は人とのつながりが最重要

病院では、薬剤師も患者さんの状態に合った薬物治療を提案する医療スタッフの一人なので、医師、看護師、その他の関連スタッフなど、異業種の人たちと連携を取らなくてはなりません。あらゆる立場の人たちとコミュニケーションを取りながら、患者さんの治療に直接関わっていく、チーム医療の一員であるという実感を得られるのが病院薬剤師の醍醐味でしょう。立場の異なるスタッフとのコミュニケーションは難しいですが、薬剤師同士で集まっていては気づかないような、新しい視点での考え方に触れることができます。それは薬剤師としての知識向上にも役立ちます。
病病院薬剤師は、医師や看護師と同様、通常勤務の他に当直や時間外労働があります。希望しない場合は、当直や残業の全くない職場を選べば良いということになりますが、入院施設や救急医療等24時間態勢の病院では難しいでしょう。患者さんの急変や、救急搬送患者への医師の処方指示が適切かどうかを瞬時に判断できる対応力、体力、冷静さが必要です。

パート薬剤師と正社員薬剤師の人間関係

パート薬剤師にとって難しいのが、正社員との人間関係です。薬局や病院のような、狭い空間で人間関係に問題があると、出勤するのが憂鬱になります。
一番ストレスが溜まるのは、上司が気分屋というケースでしょう。その日の気分によって、同じことをやっても怒られたり怒られなかったり、質問してもろくに答えてもらえなかったりすると、何をするにもビクビクしてしまいます。また、家族経営の薬局に1人パートで入った場合なども、ほかのスタッフのミスを指摘しづらいなどというやりにくさがあります。
薬剤師の職場の中にも、ブラック企業は少なくありません。特に小規模の薬局では、社長の気に入らないことを発言しただけで、その日にクビになったり、シフトを極端に減らされて、自己都合で退職するように追いつめたりという例もあります。
薬剤師不足は特に都市部では解消されつつありますが、経験者であればそれなりに就職口はあるものです。あまりにひどい人間関係に悩んでいる場合は、思い切って転職するのも一つの手です。
ただし、次に入った薬局の人間関係がいいとは限りません。わりと狭い業界なので、人脈を駆使して、職場の状況を把握して転職するのが理想的です。

パート薬剤師の求人を探す方法

結婚、出産、子育てなどで、正社員として働くのは難しいけれど、せっかく取った薬剤師免許。
しかし薬剤師として復職するには、ブランク期間の知識と経験を穴埋めしなければいけません。
そのため求人誌でパートを探すよりも、転職サイトに登録して復職支援プログラムを受けるのが最も確実です。
薬剤師専門の転職サイトであれば数多くの復職支援プログラムをサポートしており、多くの薬剤師を復職させた実績があります。
パートであっても無料で支援を受けられるため、ぜひ活用してください。

また薬剤師として働きたいという場合、主にパートで働くか、派遣社員として働くかという2つの選択肢があります。

パート薬剤師のメリット

自分のライフスタイルに合わせた働き方を最優先したい場合は、パートで働くのがおすすめです。正社員は当然フルタイム勤務で、プライベートより店舗の回転を考えて休みを取るなどの配慮が求められます。
派遣の場合、派遣先に雇われているわけではない分、休みの希望は自由に出しやすいですが、その都度契約書を取り交わすので、若干わずらわしさがあります。
家事や育児と仕事とを両立するママさん薬剤師は、授業参観、PTA会議など、「この日、この時間だけはどうしても休みたい」という細かい希望がどうしても多くなるものなので、そのような時にも休みをとりやすいのは断然パートでしょう。

パート薬剤師のデメリット

パート薬剤師の時給は、ほかの無資格で働ける業種と比べればずっと高いですが、有資格者としてはそれほど高い時給ではないです。都市部では特に低く設定されている場合が多いです。経験値によってそれほど上下しないのも薬剤師の時給の特徴です。
そして、自由に休みを取りやすかったり、定時で帰れたりする分、責任のある仕事はほとんど任せられません。稼ぐためのただの手段として割り切るのならば問題ないかもしれませんが、やりがいも求める人には物足りないかもしれません。また、誰でもできるような仕事ばかりだと、自分の存在価値を疑問に感じてしまう場合があります。

プライベートの充実か、やりがいか。どちらも手に入れるのは困難です。自分の中でのワークライフバランスを考えて就職活動を行いましょう。